英語の会議に参加する際、慣れない言語でのコミュニケーションに不安を感じる方も多いでしょう。「思い通りに意見を伝えられなかったらどうしよう」や「適切な表現ができるか不安」と感じている人も多いはず。人によっては、会議の進行役を任される可能性もあるでしょう。特に、はじめて英語の会議に参加する方は、緊張や不安を抱えるのも無理はありません。
しかし、英語の会議ではよく使われるフレーズがあります。事前によく使うフレーズをインプットしておけば、心に余裕が生まれて会議に参加できるはずです。
本記事では、英語会議でよく使うフレーズをシーン別で紹介します。
日本の会議との違いや、英語会議だからこそ押さえておくべきポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
英語会議で知っておくべき基礎知識
はじめに英語の会議をする際に知っておくと役立つ基礎知識を見ていきましょう。
日本と海外の会議の違い
日本と海外では会議のやり方が異なるため、はじめて参加する方は戸惑ってしまう可能性があります。ここでは日本と海外の会議の違いを理解しておきましょう。
最低限の人数で行う
海外の会議は必要最小限の人数で行われるのが基本です。「会議に参加する=発言する」という前提があるため、自分に無関係だと感じると会議の途中で退席する人もいます。
端的な言葉で伝える
英語の会議では回りくどい言い方をせず、端的な言葉で伝えるのが一般的。「相手を不快な気持ちにさせたらどうしよう」と考えずに、シンプルな単語で発言しましょう。
身分に関係なく発言する
英語の会議の場合、参加者は全員発言する自由を与えられます。そのため、相手が上司であっても、正直に気持ちを伝えるのが一般的です。自分が感じていることを正直に伝えて、会議を有意義なものにすることが優先されます。
議題に無関係な話をしない
英語の会議では、議題に関係のない世間話や私的な話をすることは稀です。例えば、進行役が議題から脱線した場合、聞き手が話を遮ってもとに戻したりします。会議の目的が達成された場合、予定時間よりも早く会議を終了させるのも特徴です。
会議中に飲食する
海外の会議では、会議中の飲食が自由にできることが多いです。日本では見かけない光景なのではじめは驚くかもしれません。リラックスして会議に参加し、議題に集中しましょう。
「会議」を意味する英単語の違いと使い方
一般的に会議を意味する英単語は「meeting」とされていますが、実際にはより細かく英単語が使い分けられています。ここでは、会議を意味する各単語の意味と使い方を理解していきましょう。
Meeting:打ち合わせ
最も使われることの多いのが「Meeting」です。社内の小さな会議や、クライアントとの打ち合わせを意味する際に使われます。英語が母国語ではない人の多くは「会議=Meeting」と認識しているでしょう。
Conference:大規模会議
大規模な会議では「Conference」が使われることが多いです。会議を通して合意を得ることを目的としている傾向があります。国際会議は「Conference」と表現されるのが一般的です。
Session:会議の一部
「Session」は、会議を「Session1」や「Session2」と区切る際によく使われます。1対1の小さな会議を「Session」と表現するのが一般的です。
Convention:総会・集会
「Convention」は代表者や代理人など、決まったメンバーが招集される正式な総会や集会を意味することが多いです。
Forum:議論する場
「Forum」は、日本のワークショップやセミナーに近いイメージです。特定の人物がプレゼンやスピーチをした後、質疑応答や議論の場が設けられます。
ちなみに会議の規模や企業によって、使われる単語が異なるケースもよくあるため、あくまでも参考程度に覚えておいてください。
英語会議でよく使う表現
英語で会議をする際によく使う表現と例文をまとめました。
会議をとりつける際に使える英語表現
会議を開く際は「hold a meeting」や「have a meeting」が使われます。
We will hold a meeting next week to discuss the new company policies.
(来週、新しい企業方針について会議を開きます)
Let’s have a meeting next week to brainstorm ideas for the marketing campaign.
(来週、マーケティングキャンペーンのアイデアを出すために会議しましょう)
会議に参加する
自ら会議に出席する際は「attend a meeting」がよく使われます。
I will attend a meeting tomorrow to discuss the progress of our ongoing projects.
(明日、進行中のプロジェクトの進捗状況についての会議に出席します)
会議を欠席する
会議をやむなく欠席する際は「miss a meeting」を使います。
I have to miss the meeting tomorrow because I have a doctor’s appointment.
(明日の会議には医師の予約があるため、欠席しなければなりません)
会議を延期する
会議を延期する場合は「postpone a meeting」を使います。
We need to postpone the meeting until next week due to the unavailability of key participants.
(主要な参加者が都合がつかないため、会議を来週まで延期する必要があります)
利用頻度の高い3つの英語表現
英語の会議では、以下3つの英語表現をよく使います。
- 会議室:meeting room
- 議題:agenda
- 議事録:minutes
使用頻度の高い単語なので、事前に覚えておきましょう。
会議で場面ごとで役立つ英語フレーズ21
英語の会議では、以下の流れで進行するのが一般的です。
- 会議開始の挨拶
- 会議の目的やアジェンダの共有
- 議論スタート
- 締めの挨拶
ここでは、会議の場面ごとに使える英語フレーズを紹介します。
会議前のスモールトーク
会議開始前に参加者とスモールトークをする際によく使われるフレーズです。
初対面の人には以下のフレーズを使うことが多いです。
I’ve heard a lot about you.
(噂はかねがね聞いています)
以前、会ったことのある人と再会した際は、以下のフレーズを使います。
It’s wonderful to see you again.
(またお会いできて光栄です)
会議開始:挨拶・自己紹介
会議の進行役になった場合、大まかな流れの説明や自己紹介をする機会があるでしょう。ここでは会議の開始時に使われるフレーズを紹介します。
会議スタートの合図に使えるフレーズ
会議を始める際の合図に使える表現です。
I believe we’re all here.
(みんな揃っていますね)
Why don’t we get started?
(会議を始めましょう)
挨拶で使えるフレーズ
続いて冒頭の挨拶で使える英語のフレーズです。
Thank you very much for coming to this meeting.
(会議のためにお集まりいただきありがとうございます)
自己紹介で使えるフレーズ
会議で自己紹介する際は、以下のようなフレーズを使います。
I’m〇〇.I’m in charge of Accountant.
(私の名前は〇〇です。経理を担当しています)
I’m involved in a new project.
(私は新しいプロジェクトに参加しています)
I’ll be facilitating this meeting.
(会議の進行役をします)
会議進行時:議題・アジェンダ共有
会議が始まると、まず目的やアジェンダの共有を行います。
ここでは「議題や目的発表」「アジェンダ共有」にまつわる英語フレーズを見ていきましょう。
議題や目的発表に使えるフレーズ
会議の議題や目的を発表する際に使われるフレーズです。
The purpose of this meeting is to talk about the new project.
(今日の会議の目的は、新しいプロジェクトについての話し合いです)
We are here today to discuss how we start the new project.
(今日の会議で、新しいプロジェクトをどのようにスタートするかについて話し合いましょう)
アジェンダ共有に使えるフレーズ
アジェンダを共有する際は、以下のようなフレーズを使います。
Here’s our agenda for today.
(今日のアジェンダです)
First, I’d like to start with the project schedule.
(最初にプロジェクトのスケジュールについて話します)
Then, we are going to talk about the budget.
(次に予算について話しましょう)
Finally, we will discuss and decide on the marketing strategy.
(最後にマーケティング戦略について決定しましょう)
Let’s begin with the first item on the agenda.
(それではアジェンダの最初の項目から始めましょう)
会議終了時:締めの表現
会議を終える際は意見をまとめたり、締めの挨拶を行います。会議を締めくくる際によく使われるフレーズを見ていきましょう。
意見をまとめる時に使えるフレーズ
会議で交わされた意見をまとめる際は、以下のようなフレーズを使います。
To summarize, we have decided to 〇〇.
(今日の話をまとめると、私たちは〇〇することにしました)
So we have agreed on 〇〇.
(本日私たちは〇〇について合意しました)
会議を締める時に使えるフレーズ
締めの挨拶では以下のようなフレーズを使うのが一般的です。
It’s about time.
(そろそろ会議終了時刻です)
I believe we have covered everything on the agenda.
(今日のアジェンダで話すことは全て話せたと思います)
May I ask for two or three comments before we close?
(会議を終える前になにか意見がある方いませんか?)
Thank you all for your time.
(今日はお時間ありがとうございました)
会議の状況別で使える英語フレーズ22
英語の会議を進める中で、状況に合わせて必要となる英語フレーズもあるでしょう。ここでは、それぞれの状況別に使える英語フレーズを紹介します。
聞き手に反応を求めたい時
会議の進行役(ファシリテーター)になると、参加者に意見を伺う状況がよくあります。相手に意見を求める際は、以下のようなフレーズを使いましょう。
May I ask your opinion?
(あなたの意見を伺えますか?)
Do you have any questions or concerns so far?
(ここまでで何か質問や気になることはありませんか?)
What do you think we should do?
(どうするべきだと思いますか?)
聞き手からの質問に答える時
会議中に参加者から質問を受けた際、正確な回答をするために時間を稼ぎたい時は、以下のフレーズを使うのがおすすめです。
That’s a very good comment.
(良い質問ですね)
Regarding 〇〇,
(〇〇についてですが、)
上記のフレーズを使いつつ回答を考えて発言すると、聞き手も退屈せずに話を進められるでしょう。
ファシリテーターとして次の議題に進めたい時
会議中に進行役として、次の議題へ進める際に使えるフレーズは以下の通りです。
Shall we move on to the next topic?
(次のトピックへ移りましょうか?)
メインのトピックではない点で議論している際は、以下のフレーズが使えます。
Can we leave this point now and move on to the next item?
(この点は置いておいて、次の項目に移りましょう)
発言者として意見を述べたい時
会議中に意見を述べたい時に使える英語のフレーズを用意しておくと、スムーズに発言できます。
Let me comment on 〇〇.
(〇〇についてコメントさせてください)
It seems to me that…
(〜だと思います)
It might be the case that…
(〜という可能性もあります)
賛否を問われ返答したい時
会議中に賛否を問われた場合は、結論から述べることが大切です。「賛成・反対」を述べる時に使える英語フレーズをしっかり押さえておきましょう。
I agree with you, 〇〇.
(〇〇さんに賛成です)
I’m afraid I disagree with this idea.
(あいにく、その意見には賛成できません)
You have a point there, but …
(その意見には一理ありますが…)
状況に応じて使い分けることで、明確に意見を伝えることができます。
話に割って入りたい時
会議の最中に、話を遮って質問や意見する必要がある場合もあるでしょう。その際に使える英語フレーズは以下の通りです。
May I interrupt ?
(ちょっと話してもいいですか?)
I’m sorry to interrupt you, but…
(話を遮ってしまいすみませんが、)
発言者として質問をしたい時
会議で質問する際は、シンプルなフレーズで問いかけるのが基本です。
以下で、質問したい時に使えるフレーズを確認しておきましょう。
I have a question.
(質問があります)
May I say something here?
(ちょっといいですか?)
不明点を確認したい時
会議中に疑問や不明に感じるポイントが出てきた時は、正直に伝えることが大切です。よく使われる英語のフレーズをいくつか紹介します。
Could you explain that again, please?
(もう一度説明していただけますでしょうか?)
I’m not sure I understand. Do you mean〜?
(理解できているか自信がないのですが、〜という意味ですか?)
Could you give us some more details?
(もう少し詳しく話していただけますか?)
英語が聞き取れず、繰り返しを要望したい時
英語を使う会議では、専門用語や知らない英単語などに遭遇する場合があります。分からないまま放置して、会議後に質問をするのはよくありません。相手の話が聞き取れなかった際に、繰り返してほしい時は、以下のフレーズを活用しましょう。
Could you say that again please?
(もう一度言っていただけますか?)
What exactly do you mean by 〇〇?
(〇〇とはどういう意味ですか?)
WEBや電話でのオンライン会議で使える英語フレーズ12
リモートワークの普及により、オンラインで行うWEB会議や電話のみのミーティングも増えてきました。ここでは、オンライン会議で使える英語のフレーズを見ていきましょう。
画面共有をする時
オンラインで行うビデオ会議では、画面共有する機会がたくさんあります。時には画面が共有されないトラブルなどもあるでしょう。ここでは、画面共有時に使える英語のフレーズを紹介します。
画面共有する時に使えるフレーズ
自ら画面を共有する際に使えるフレーズは以下の通りです。
Let me share my screen.
(画面共有させてください)
Would you mind if I share my screen?
(画面共有してもいいですか?)
相手の画面共有がうまくいっていない時に使えるフレーズ
画面共有がうまく実行できていないことを相手へ伝える際は、以下のフレーズが役立ちます。
We cannot see the screen.
(画面が共有されていません)
Screen share doesn’t seem to be working properly.
(画面共有がうまくいってないようです)
機器のトラブルが起きた時
オンラインの会議では、インターネットやイヤホンの接続など、機器トラブルが起こるケースもあるでしょう。ここでは、機器トラブルが起きた時に使える英語のフレーズを紹介します。
音声が聞こえない時に使えるフレーズ
相手の音声が聞こえない時は、以下のフレーズが役立ちます。
The connection is not well, we cannot hear you well.
(通信がよくなく、声がよく聞こえません)
You’re on mute. Could you unmute yourself?
(マイクがミュートになっています。ミュートをオフにしていただけますか?)
オンライン会議に慣れていない人は特に起きがちなトラブルなので、使用頻度も高いです。
ネット状況が安定しない時に使えるフレーズ
インターネット接続が不安定な時は、以下のフレーズで相手に状況を伝えましょう。
Sorry, my internet connection is unstable.
(ネット環境が不安定です)
I’m having a problem with my internet connection.
(接続できなくて困っています)
I’m having a technical problem.
(機器の調子が悪いようです)
オンライン会議でのあいづち
オンライン会議では、相手が必ずしも自分の顔を見ているとは限りません。そのため、対面式の会議よりも明確にあいづちをする必要があります。オンライン会議を行う際は、以下のフレーズを活用するとよいでしょう。
- Exactly:その通りですね
- Got it:わかりました
- I see:なるほど
上記はあいづちでよく使われるものですが、返事をする際は「Yes」を使っても問題ありません。オンライン会議の参加者のあいづちを参考にしながら、適切なフレーズを使っていきましょう。
英語の会議で失敗しないための5つのポイント
これから英語の会議に参加する方向けに、押さえておくべきポイントを5つ紹介します。
ジェスチャーや表情に気をつける
ジェスチャーや表情の変化を加えることで、言葉では伝わりきらない感情を表現できます。英語に苦手意識がある方でも、ジェスチャーを活用すれば相手に伝えやすくなるでしょう。少々間違ったフレーズを使ってしまった際も、明るい表情を保っていれば相手も悪い気持ちにはなりません。
英語に不安があるなら事前に資料を共有しておく
英語力に不安がある方は、事前にアジェンダや補足資料を参加者に共有しておくのがおすすめです。Eメールやチャットなどで情報をシェアしておけば、参加者も安心して会議に挑めます。参加者が忙しく、事前の資料共有が難しい場合は、会議を始めた直後に資料を読んでもらう時間を作ると安心です。
疑問はその場で質問する
会議中に少しでも気になる点があった場合は、積極的に質問してください。日本の会議では「今、話を遮ったら空気が読めないと思われるかも」や「こんな質問したらバカだと思われるかも」と感じて、発言しない人も少なくないでしょう。しかし、会議の目的は参加者が議論して課題を解決することにあります。そのため海外の会議では、どんなに些細な疑問でも、その場で解決して議論を進めることをよしとするのです。
また、相手の英語を理解していないにも関わらず「Yes」と返事をするのもNGです。相手はあなたが理解していると思って話を進めてしまいます。会議後に尋ねても「どうして会議中に質問しなかったの?」となるので気をつけましょう。
シンプルな英語・文法で話す
英語の会議では極力シンプルなフレーズや表現を使いましょう。なぜなら、会議の参加者の中には、英語を母国語としてない人もいるからです。ネイティブなフレーズを使うと、理解されずに質問が増える可能性があります。円滑に会議を進めるためにも、分かりやすい英語を意識してください。
自信を持って発言する
英語の会議では自信を持って発言することも重要です。回りくどい言い方や小さな声で発言すると、聞き手にネガティブな印象を与えてしまいます。はっきりと英語で発言できるようになれば、会議の雰囲気もよくなるでしょう。また、自ら自信を持って発言することで、徐々に話し方のリズムが掴めるようになります。英語に不安を感じている人は日本人だけではありません。失敗を恐れずにはっきりと発言することで、相手も気持ちよく聞き入れてくれるでしょう。
まとめ
英語の会議では頻繁に使われるフレーズがあるため、事前に頭に入れておくことをおすすめします。自信を持って英語を話せるようになるのに最も効果的な練習は実際に人と話すことです。しかし、英語の会議に慣れた人が周りにいない方も少なくないでしょう。そんな方の練習の場におすすめなのがトーストマスターズです。
トーストマスターズ はパブリックスピーキングとリーダーシップを学ぶための国際的な非営利教育団体になります。日本語と英語のコミュニケーションを上達させたい方向けに、全国各地でワークショップを開催したり、オンラインでの練習、フィードバックなども行っている団体です。
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