トーストマスターズにはいろいろな世代の会員がいらっしゃいます。今回は3人の息子さん達を立派に育て上げその後トーストマスターズにて英語を学び、さらに大学、大学院と進学された女性のお話です。まさに生涯学習ですね。
それでは、どうぞ。
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私とトーストマスターズの出会いは全く偶然のものでした。
1999年、私の長男の友人Sさんがアメリカへ旅行し、その帰りの飛行機の中で横に座っていた人がトーストマスターズのメンバーでした。
そのメンバーの人は飛行機の中でずっとSさんにトーストマスターズについて話したそうです。
Sさんは英語にあまり興味はなかったのですが、当時、私が英会話学校に通っていたのを知っていたので帰国後、私に「ちょっと変わった 英語クラブ」があると教えてくれました。
それまで私は3人の息子の子育てをしながらラジオの英語番組を聞いたり、英会話学校に行ったりして英語を勉強していました。
Sさんから聞いた話にちょっと興味をそそられ、すぐにゲストとしてあるクラブを見学しました。
まさに”Wow!”という感じで、メンバーのスピーチのすばらしさ、体系づけられたミーティングの進行、そしてメンバーの方々が親切に快く迎えてくださったことに感動しました。
連続3回ゲストで出席した後、皆さんのようについていけるか不安でしたが、まさに「清水の舞台から飛び降りる」つもりでメンバーになりました。
初めてのスピーチでは、頭真っ白、膝はがくがく、自分の胸の動悸が聞こえるよう、さらにオーバータイムと散々な状態でした。
しかし、3回、4回とスピーチを重ねていくうちに少しづつ慣れ、7回目のスピーチで初めてベストスピーカーに選ばれました。
それから不思議とドキドキ感も薄れ、みんなの前でスピーチをするのが楽しくなりました。
しかし、英語能力の不足、文法の間違いなど恥ずかしい思いもしました。
メンバーになって3年が過ぎ、3人の息子たちもそれぞれ大学を卒業し自立したのを機に、次は「私が大学に行く」と家族に宣言しました。
2003年4月、ラッキーにも外国語大学、英米学科に入学できました。4年間、息子のような若い人たちとともに学び、議論し、教えあい、また遊んだことは私の人生の中で最も輝いた時期だと思います。
大学まで片道2時間近くかけて通い、通学の電車の中が勉強時間となりました。初めて学ぶ楽しさを実感しました。
この楽しかった4年間を終わらせるのはもったいなく、さらに大学院へと進みました。大学院では修士論文に苦しみましたが、無事卒業することができました。
大学、大学院に通っている間もトーストマスターズ活動は続けていました。大学、院での英語史、アメリカ史、アメリカ社会などの授業で学んだことをスピーチにして、クラブ例会でたびたび発表しました。こうすることで私自身の学びも深くなり、またメンバーの方にも喜んでいただけました。
クラブ役員も積極的に引き受け、2009年にクラブプレジデント、2014年にエリアガバナーを務めさせていただきました。
このような役割を通して、リーダーシップとコミュニケーションの大切さを学ぶことができ、さらに人の輪も広がり、出会いに巡り合います。
上記のSさんがトーストマスターズの話を私にしてくれなかったら、今の私があるかどうか疑問です。
トーストマスターズは私の人生を豊かな意義のあるものへと導いてくれました。
これからもトーストマスターズとともに、さらにチャレンジしたいと思っています。