★トーストマスターズクラブの最大の特徴は「励まし合う仲間」の存在と言っても過言ではないでしょう。
今回ご紹介する会員は営業職として中堅社員として頑張る女性会員です。勤務先で営業部門に異動した時に引っ込み思案な性格のままではいけないと、友人の勧めもあり入会したトーストマスターズクラブ。
そこで見たものは和やかな環境で励まし合う学びの「仲間たち」の姿でした。仲間の存在は引っ込み思案な彼女をどのように成長させたのでしょうか?
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私がトーストマスターズに入会したのは、仕事で初めて「営業」にチャレンジした時でした。
私は、本来引っ込み思案なので、 「お客様と上手く交渉できるようになりたい。でも、話すのに慣れていないから、緊張のあまり沈黙したらどうしよう。」そんな不安を感じていました。
そんな時、友人がこう教えてくれたのです。 「スピーチクラブに入ったよ。すごく面白いよ」
それが、トーストマスターズを訪れるきっかけでした。
友人にきっかけをもらい、それが素晴らしい経験になったことは、以前にもありました。
落ち込んでいた時、友人に教えてもらった『一万人の第九』(ベートーベンの交響曲第九番・第4楽章を一万人で歌う合唱)に参加して、勇気づけられたのです。 第九は、『友人や愛する人のいる素晴らしさ』を歌いあげた曲です。 ドイツ語、4部の合唱、小学生から80歳までのクラスメイトと、初めてのことばかりでした。 練習が進むにつれてクラスに「みんなで第九を作り上げようー!!」という気運が高まって、文字通り「歓喜」のうちに合唱が成功したことは素晴らしく得難い経験でした。
そんな経験の後、トーストマスターズを訪れるのは、不安はありつつも楽しみでした。
初めて見学した例会で拝見したスピーチは、アメリカのTEDというプレゼンテーションのように華やか。 正直、自分がついていけるか、自信はありませんでした。
しかし、 ①即興スピーチ ②メンバーがお互いにアドバイスする仕組みがあること ③メンバーが活き活きと楽しんで話をしていることが とても新鮮に思えました。
クラブは和やかで、メンバーが伸び伸びと活動していました。 「参加したら私もこうなれるのかな」 そんな思いと、メンバーの笑顔に勇気づけられて入会しました。 入会して驚いたのは、 ①例会の役割と話す機会をどんどん与えられること ②失敗しても怒られないこと ③「この人はすごい。自分は敵わない」と思うスピーチをするメンバーが沢山いること でした。
尻込みする間もなく、どんどん様々な例会の役割にチャレンジさせられ、自分のキャパシティが拡がっていくのを感じました。
上手く話せても話せなくても、耳を傾けてしっかりと聞いてくれるメンバー、『仲間』の存在は重要でした。
メンバーは、私のスピーチや、私の論評(スピーチをした人に対して口頭で発表するそのスピーチへのフィードバック)に、「ここがよかったよ。でも、ここを変えたらもっとよくなる」と、アドバイスや提案を惜しみなくくれました。 『仲間』が私の先生でした。
一つの役割をこなす度に、 「こんなこともできるようになったーー!」と喜び、「この人には敵わないなー」と落ち込み、「いつかはこうなりたい。頑張ろう」と改めて思う。 この繰り返しが、私を成長させました。
気がつけば、クラブの代表として、スピーチコンテストにも出場できるようになりました。
コンテストに出場し始めた頃、仕事でも成果が出始めました。
それまでは、営業で苦労していました。しかし、トーストマスターズでトレーニングを積むうちに、お客様とコミュニケーションが取れるだけではなく、お客様の悩み・課題に共感できるようになり、仕事をいただくことができたのです。 今は、仕事をいただくことに加えて、お客様と話し共感できることも、私のやり甲斐につながっています。
お客様も『仲間』と思えるようになり、仕事の成果が出たのは、トーストマスターズで学んだおかげだと思います。
これからも、ライフワークのようにトーストマスターズを続け、『仲間』と一緒に成長していきたい、そう思っています。