マーク吉川と歩く世界のTMC

第10話 セントジョントーストマスターズクラブ

トーストマスターズ国際会長DTMジム・ココチさんのホームクラブは、
カナダの北東部・赤毛のアンで有名なノヴァスコシア州の隣・”ニューブランスウィック州”の
港町~セントジョンにある、”セントジョントーストマスターズクラブ”です。
カナダですからフランス語のクラブも街にあるそうですが、これは英語クラブ。
日本や米国からセントジョンに直行便がないため、カナダのモントリオールか、
またはバンクーバーでターボプロップ機に乗り換えなければなりません。
ニューヨークからは乗り継ぎを含め、約6時間の旅程。セントジョンは、こじんまりとした空港で、街の 中心部までは車で約10分くらいです。港町なので魚介類が豊富、特にクリーミーなクラムチャウダーは美味しくてボリュームも満点!
美しい街は、行き交う人々も親切でにこやか、ゆったりとした空気が流れています。

セントジョンクラブの会合は、毎週火曜日の夕方18:00から、休憩時間を挟んで約2時間。
通常は街の中心地にある学校で会合するのですが、
私が参加した会合は7月の第1週目に、街の中華会館ホールで行われました。
立派なステージがある大きな体育館のような場所に圧倒されました。
まるでDivision Contest のような…。

街が本格的な夏休みに入る直前でしたので、メンバーとゲストあわせて35名の参加者があり盛況でした。

会合は、毎回事前にテーマが決まっているらしく、その日の主題は、”ソーシャル・メディア”でした。
ラストの準備スピーカーだった私は”ソーシャルメディアと私、” という題名で用意していたのですが、何と4人の先行スピーカーたちに、偶然にもほとんど全てのスピーチ内容を話されてしまいました。

さあて、どうしたものか?っと想いを巡らし咄嗟に思いついたのが”Impromptu Speech”を3つ繋げて
即興でストーリーを紡ぐ、という手法でした。

過去、現在、未来、という個人的経験を三部作に分け、間合いを取りながら2分ずつ話し、
締めくくった処、丁度7:17で終了。

そして、休憩時間に突然、個人論評を依頼されましたが、これもマニュアルに沿って対応。
3:23で纏める事が出来ました。

とても良い経験になりましたが、セント・ジョンクラブの会合で最も印象に残った事は、メンバーやゲストさんたちの温かい出迎え、そしてスピーカーたちに対する力強い眼差しとActive Listening でした。

緊張する私がスピーチする時、論評する時に彼らは全員、大きな拍手でステージに迎えてくれ、
にこやかに微笑みながら集中して耳を傾けてくれたのです。
時には身を乗り出し、頷き、笑い、一緒に嘆いてくれる彼らのおかげで楽しくスピーチや論評をする事が出来ました。

まさに、打てば響くように反応してくれる聴衆のおかげで、初めての地でも落ち着いてコミュニケーションをとる事が出来たのだと思います。

まさに”おもてなし”、とはこういうものか!っと教えられたように思いました。

メンバー同士が暖かく言葉を交わし、スピーカーと聴衆が一体となる素晴らしさ!
これは是非とも私たちも毎回、実現できるよう心掛けるべきではないでしょうか?

雄大な自然に囲まれたカナダのセントジョンクラブは、まさに国際会長ココチさんの優しく素敵な微笑みを体現するかのようなFriendly and Accommodating~親切でおもてなし溢れる 素敵なクラブでした。

カナダ、北米にお出かけのさいには、是非一度訪問なさってみてはいかがですか?

雄大な自然に恵まれたカナダで、優しい国際会長や彼の仲間たちに囲まれ、スピーカーや論評者として
最高の武者修業ができますよ!

編集注釈)本原稿は、2016年8月にいただきました。
2016年8月の国際大会にて、ジム・ココチさんは、任期を終え、現在、前期国際会長です。