ご所属と、トーストマスターズクラブ歴を教えてください。
響トーストマスターズクラブに所属しています。2014年9月入会です。
見学にきたきっかけを教えてください。
会員のS氏に誘われたことがきっかけです。このS氏とは10年来の知り合いで、ある日、友人の集まりで久しぶりに彼に会ったときのこと。「いまトーストマスターズという場で活動しているんだ」と話す彼の目が、あまりにキラキラしていることが気になりました。
「どんなクラブなんだろう」と、よくよく話を聞いてみると、トーストマスターズの活動とは人前でスピーチをするものだといいます。でも、私の知るS氏は、人前での話が得意だった印象がありません。
彼がトーストマスターズでの活動をあまりにも楽しそうに語るので、「どんな活動をしているのか」と興味がわいて見学に行くことにしました。
例会見学の印象はどうでしたか?
まずS氏がトーストマスターズの会員の人たちに「Sさん、Sさん」と親しそうに呼ばれていることを目の当たりにしてびっくり。しかも、想像以上にS氏がちゃんとしたスピーチをしていました。記憶の中の彼の姿とは別人だったので、「こんなに変わるものなんだ」と衝撃を受けました。
例会自体は、狭い会議室にもかかわらず大人数が集まっていること、そして会員の一人ひとりが熱意をもって取り組んでいる様子が感じられ、「こんな集まりがあるんだ」と強く印象に残りました。
その印象は、例会後に参加した懇親会でいっそう深まりました。とにかく会員の人たちのテンションが高い!例会には参加しなかったのに、懇親会にだけ顔をだす会員までいます。和気あいあいとしながら、熱意に溢れた空気感が魅力ですね。
トーストマスターズクラブに入ってどのような効果がありましたか?
私はトーストマスターズクラブの入会理由によくある「人前で話すことへの苦手意識」をもっていませんでした。職場では、技術営業職をやっている関係からプレゼンをする機会は多くありますし、プライベートでは、某国立科学館で展示解説のボランティアをやっていました。
ただ、例会に参加してよかったなと思うのは、いままで「自分ができている」と思っていたことが、「実はできていなかったんだな」と気づけるようになったことです。自分のプレゼンの弱点がわかり、自分自身を見つめなおす良い機会が得られたと思います。
いま私は例会を自身の「問題発掘の場」として活用しています。スピーチを行うことで、自分の課題が見つかり、次にその課題を克服するために練習するといったことを繰り返しています。
現在クラブ運営役員をされていますが、役員になったことでよかったことはありますか?
ありますね。もともとめんどくさがり屋でこまめにメールするのが苦手だったり、気が利かなかったり、融通が利かなかったりするところがあります。他人がどうしていようと気にしない人間だったのですが、クラブで役員を経験するようになり、いつのまにか、そんな自分が変わっていることに気が付きました。「誰かのために」や「クラブのために」を考えながら活動する楽しさがトーストマスターズにあるからだと思います。
トーストマスターズクラブは、職場の人間関係とは違って、利害関係のないフラットな集まりです。それゆえにこうした考えを自然と受け入れられたのかもしれません。
トーストマスターズへの入会を検討している人に一言お願いします!
時間さえ許せば、入会して損はありません。失敗しても失うものはありません。自信はつくし、友達もクラブの垣根を越えてたくさんできます。
クラブの理念を外れなければ、例会やイベントで自分のアイデアを存分にいかした企画を実行できる場もあります。私もいままでにたくさんの企画を実現してきました。
たとえば、クリスマス例会では自らテーマソングを作って歌ったり(作詞作曲は得意な方に依頼)、税理士の会員の方にお願いして「お金との上手い付き合い方」というテーマの例会を開催したり、営業トークの訓練として自分の商品をオークション形式で売り込むバザー例会を企画しました。自分のアイデアを形にできるというのは、やりがいがありますし、楽しいですよ。
さきほどの「トーストマスターズのクラブの垣根を越えた関係」について具体的に教えてください。
首都圏にはたくさんのクラブがあるため、クラブ外のイベントもたくさんあります。都内近郊にあるクラブが埼玉スタジアムで耐久マラソンを共同で企画したことがあります。私はクラブの垣根を越えたなかでチームを作り、その耐久マラソンに参加しました。某クラブの会長とエリアディレクター(複数クラブのまとめ役)を務めた方の結婚式に参加したときには、特技のトランペットを吹かせてもらいました。
山好きの人が作った山登りTMCのメンバーと神奈川県の大山に山登りしたこともあります。トーストマスターズには、こうした趣味の集まりから発足したクラブや、スピーチのある特定のコーナーに特化したクラブ(たとえば、論評だけとか、即興スピーチを鍛えるテーブルトピックスだけのクラブ)もあります。会員の自由な表現を許容して、数珠つなぎに輪を広げていく感じは、私のように活動の場をひとつに絞らず、さまざまに広げたい人間には、とくに合っているように思います。
ほかには、某トーストマスターズクラブが主催するお泊まり例会に参加してバーベキューを楽しんだり、某企業内にクラブが作られるという際に、その立ち上げにかかわったこともあります。新しいクラブが仙台で立ち上がった際の設立のセレモニーに参加するために、東京から仙台まで駆け付けたこともあります。
トーストマスターズの魅力を話し出せばキリがありませんが、どれもトーストマスターズクラブに入ったことで得られたことです。いまではS氏に足を向けては寝られません!(笑)